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シャコを飼ってみよう。

はじめに

シャコを水槽で飼育するためには、水槽という小さな閉鎖された空間に、広い海と同 じ様な自然のサイクルを再現する必要があります。

海の中では大きな魚が死ぬと、見る見る間にカニやヤドカリ、小さな魚達が集まって その肉を食べてしまいます。カニやヤドカリが出した糞は、さらに小さな生き物やバ クテリアの餌となり、最終的に硝酸やリンといった分子にまで分解され、植物プラン クトンや海藻の肥料となります。

植物はこれらを餌にしながら太陽の光を浴びて光合 成を行いながら数を増やし、動物プランクトンの餌となり、それを小さな魚が食べて 、小さな魚を大きな魚が食べて・・・・というサイクルがぐるぐると回っています。

だから誰も餌を与えなくても、掃除や水換えをしなくても、太陽の光と海底から溶け 出す、わずかなミネラル分の補給だけで、限りなく長い時間、水はいつまでも綺麗に 保たれ、たくさんの生物達が豊かに暮らすことが出来ています。

小さな水槽の中にも、海の中と同じ様な自然のサイクルをギュッと小さくして、再現 する事が出来ます。ミニチュアの自分だけの小さな海の中で、シャコを頂点としてそ の他の微細な生物達の織りなす自然のサイクルを、全てあなたが管理する事が出来る のです。

必要な物

・水槽

シャコを飼う水槽は、30センチ(横幅)×20センチ(奥行)×20センチ(高さ) 水量にし て12リットル以上の水槽が適しています。 水槽は大きいにこしたことはありません。大きい水槽は水量が多い分、水質や水温が より安定するからです。 水槽には、ガラス水槽、アクリル水槽、プラスチック水槽等がありますが、シャコ飼 育にはガラス水槽が必要です。シャコが繰り出すシャコパンチは強烈で、アクリルや プラスチックの水槽はシャコパンチで割られてしまいます。

・濾過装置

濾過装置は、水槽内に自然発生するバクテリアの力を借りてシャコの糞や、餌の残り などの水の汚れの元となる物を、比較的無害な硝酸塩という物質に変えてもらうため のもので、いわばバクテリアのお家の事です。バクテリアが住み着きやすい細かい穴 が沢山あいた小石(サンゴのかけら等が最適で濾材と言う)を敷き詰めて、その濾剤 の間に飼育水を流してあげることで、バクテリアに有害物質を食べてもらうわけです 。

この水を綺麗にしてくれるバクテリアにはニトロソモナス(Nitrosomonas)とニトロ バクター(Nitrobacter)という二種類のバクテリアがいます。

生物濾過とは

シャコの糞はとても毒性の強いアンモニア(NH4)で、また餌の残りなどもバクテリア によってアンモニアに分解されます。アンモニアはとても有害なので、このままアン モニアが水槽内に溜まっていくとシャコはその毒によってすぐに死んでしまいます。

ニトロソモナスはこのアンモニアを餌として、亜硝酸(NO2)に変えてくれます。亜硝 酸はアンモニアに比べてかなり毒性が低くなりが、シャコにとっては危険であること には変わりありません。 ニトロバクターは亜硝酸(NO2)を餌にするバクテリアです。亜硝酸を餌として硝酸塩 (NO3)という、毒性の低い物質に変えてくれます。 硝酸塩は徐々に水槽内に溜まっていきます。

自然の海であれば沢山の植物プランクト ンが硝酸塩を肥料として吸収してくれるのですが、水槽内で植物プランクトンを育成 することは非常に難しいのです。 そこで、ここの部分は我々人間が手助けとして、水換えによって溜まった硝酸塩を取 り除き、硝酸塩の含まれていない綺麗な海水を加えることで、長期的に溜まった硝酸 塩を取り除きます。

濾過バクテリアは酸素を大量に消費します。酸素が少ないところには濾過バクテリア は生息できず、酸素が大量に流れ込む場所には大量の濾過バクテリアが発生して強力 な濾過を行うことができます。この理由から最も優れている生物濾過装置はドライ濾 過と呼ばれる方法で、バクテリアが住み着くサンゴ片の間を飼育水がポタポタと空気 を巻き込みながら滴る方法です。

・保温装置・・・・

モンハナジャコが住むサンゴ礁の海の水は、冬場で21℃、夏の暑いと きでも29℃位です。 従って、水槽の水も年間を通じてこの範囲内に納めることが大切です。 冬の水温が低くなるときにはヒーターとサーモスタット、夏場の水温が高くなるとき には水槽専用のクーラーがあれば良いのですが、水槽用クーラーは高価なので、扇風 機で水面に風を送り、水が蒸発する気化熱を利用して水温を下げることもできます。

・海水・・・・

海の水には塩をはじめナトリウム、硫酸、マグネシウム、カリウム、カル シウム、ヨウ素、ストロンチウム、その他様々な元素が溶けています。これらの海水 成分を配合した人工海水が市販されていて、真水に溶かして簡単に海水を作ることが 出来ます。

・その他 ・・

水温計・・・・水温を測るために必要になります。年間を通じて23℃〜28℃位の範囲 にとどめるように保温装置を用いて水温を維持します。

・・比重計・・・・人工海水の濃度を計るために必要となります。淡水のプールで泳ぐよ りも海の方が身体が良く浮くように、水に溶けている塩やその他の成分が多いほど、 水は重くなり、そこに浮かぶ物の浮力は高くなります。この性質を利用して、釣りの 浮きに似た形状の一定の浮力を持つ比重計を海水に浮かべて、その浮きぐわいを計る ことで、どのくらいの人工海水を水に溶いたら、海の水と同じくらいの濃度かを知る ことが出来ます。 海水の比重は1.023程度が標準です。

・・網・・・シャコを掬ったり、食べ残しの餌を取り除いたりする際に便利です。

・・底砂・・・・シャコが落ち着けるよう、水槽底にはサンゴ砂を2〜5センチ位の厚さで 敷きます。

・・水質検査試薬・・・・種々の水質データーを測定することで、水槽内の環境状態を細 かく把握することが出来ます。濾過が正常に作動しているか、水換えはいつ頃行えば よいのか等を見極めるためにも水質データーを記録することは大切です。 シャコ飼育に必要な水質テストキット

・ ・pH・・・・水素イオン濃度。標準的な海水のpHは8.3前後です。シャコの排泄物が溜ま ってきたり、海水自体が古くなってくるとpHは低くなる傾向があります。pHが8.0よ り下がったら水換えが必要となります。

・ ・NH4,NO2,No3・・・・アンモニア、亜硝酸塩、硝酸塩。濾過の項で説明しましたが、硝 化バクテリアであるニトロソモナスやニトロバクターの発生状況や濾過能力の現状を 見るために必要になります。 アンモニアが多すぎる場合は、それを分解するニトロソモナスが充分に発生していな い証拠です。また亜硝酸が多すぎれば それを分解するニトロバクターが充分に発生していません。 また硝酸塩が多くなってきたらそろそろ水換えが必要な時期と言うことです。

・ ・餌・・・・シャコは動物性の生餌なら、なんでも好んでよく食べます。生きたアサリや ムキエビ、やどかりや巻き貝等が大好物です。

 

・・・・つづく、、、